グローバル製薬企業3部門で進めた、職務別コミュニケーション力の強化
CASE STUDY · ENTERPRISE CAPABILITY DEVELOPMENT
調達部門から始まり、法務・知的財産、財務へと展開した4年間の企業向けプログラムです。90名を超える専門職に対し、複数講師による完全個別型の支援を提供。会議、交渉、専門的な説明、文書作成、マネジメント上の課題など、参加者が実際に担う業務を中心に設計しました。
クライアント名、参加者名、契約金額、社内文書、特定の案件・製品に関する情報は非公開としています。規模に関する数値は、参加者名簿、スケジュール、契約・運営記録、元参加者による事後確認に基づきます。
ENGAGEMENT AT A GLANCE
一つの部門から始まり、職務別の実務への適合性、守秘性、 代表による責任ある統括を維持しながら、3部門へ展開した企業向けプログラム。
- クライアント
- グローバルに事業を展開する日本の大手製薬企業
- 支援期間
- 2020年から2024年初頭
- 開始部門
- 製薬業界内の信頼ある紹介を契機に、調達部門から開始
- 展開部門
- 法務・知的財産、財務へ順次展開
- remarkable.の役割
- プログラム設計、クライアント対応、運営統括、講師連携、 参加者への直接支援
- 実施形態
- 完全1対1。通常は週1回、必要性・緊急度・空き状況に応じて週2回まで。 必要に応じてメール、文書、緊急準備も支援
社内の参加者マスターには93名の記録があります。1,293時間は 2022年1月から2024年3月までの予約記録に基づき、 2020年から2021年までの初期期間は含みません。
課題:専門職ごとの実務を保ちながら、企業規模で展開する
参加者はいずれも、調達、法務・知的財産、財務の各領域で経験を積んだ専門職でした。課題は、英語の知識そのものではありません。交渉、専門的な判断、リスク、推奨案、財務上の含意、マネジメント上の対応を、海外の関係者に対して正確かつ実務に適した形で伝える必要がありました。
部門ごとに求められる内容は大きく異なりました。法務・知的財産では、法的な立場、契約、特許・ライセンス、リスクを説明する必要があります。調達では、サプライヤーとの交渉、前提への問いかけ、コストや調達方針の説明、社内外の関係者の認識調整が求められます。財務では、業績、予測、差異、不確実性、経営上の含意を明確に伝える必要があります。
全員に同じ内容を提供する一般的な研修では、実務との関連性が失われます。そのため、企業として共通化すべき運営基盤と、参加者ごとの職務、役職、優先課題、直近の業務に合わせた個別支援を両立させる必要がありました。
THREE-FUNCTION CAPABILITY SYSTEM
一つの運営基盤で、性質の異なる3部門を支援
運営上の共通基準を保ちながら、各部門が扱う専門性、 ステークホルダー、判断の内容に応じて支援を設計しました。
法務・知的財産
法的な論理、契約上の立場、特許・ライセンス、専門的な説明、 リスクコミュニケーション、文書作成。
調達
サプライヤー交渉、調達・コストに関する協議、プレゼンテーション、 前提への問いかけ、社内提案、グローバル関係者との認識調整。
財務
財務説明、予測、差異、リスク、経営上の含意、報告、 部門横断の意思決定支援。
アプローチ:実際の職責を中心にプログラムを設計する
支援は、製薬業界内の信頼ある紹介を通じて始まりました。まず調達部門を対象に、部門独自の予算と支援範囲を設定した個別プログラムを開始しました。
参加者ごとに、英語運用力、職務、目標、実際に必要となるコミュニケーション場面を確認しました。その後の支援は、直近の会議、交渉、プレゼンテーション、メール、文書、専門的な説明、マネジメント課題、ステークホルダーへの提案など、現実の業務を中心に組み立てました。
参加者は、利用可能な講師の中から希望する講師を選択できる仕組みとしました。その一方で、日程管理、守秘義務、サービス基準、継続性、講師間の連携、緊急時の対応については、remarkable. が共通の運営体制を維持しました。
社内での信頼、紹介、継続的なニーズを背景に、支援は法務・知的財産、さらに財務へと展開しました。各部門が独自の予算と課題を持ちながらも、一つの統合された運営基盤のもとで提供される体制となりました。
HOW THE PROGRAM SCALED
共通化したのは運営。支援内容は一律化しない。
拡張できるように設計したのは、契約、日程、品質、守秘義務、 継続性を支える運営基盤です。実際の支援内容は、 各部門、参加者、直近の業務に合わせて変えました。
共通の運営基盤
部門別の実務適用
参加者ごとの設計
運営モデルには共通性を持たせ、参加者への支援は個別性を保ちました。
成果:規模、実務への移転、組織内での広がり
本プログラムの成果は、三つのレベルで確認できます。
第一に、完全1対1の支援を維持しながら、企業内で相当な規模まで展開しました。社内記録には93名の参加者が登録され、2022年1月から2024年3月までの月次スケジュールには、1,293時間の予約記録があります。この数値には、2020年から2021年までの初期期間は含まれていません。
第二に、支援内容は一般的な練習ではなく、実際の業務へ直接適用されました。元参加者12名への匿名の事後確認では、全員が支援を職務に即した実践的なものと評価し、11名が重要な会議、交渉、プレゼンテーション、またはマネジメント場面で実際に利用したと回答しました。
第三に、プログラムは社内で採用・拡大されました。調達部門から法務・知的財産、財務へと広がり、複数講師による提供体制を整えながら、一つの共通運営モデルのもとで継続しました。
ENTERPRISE EVIDENCE SCORECARD
支援規模、実務への移転、組織内での採用・拡大
参加者、プログラム運営、組織内での広がりという三つの観点から、 確認できる根拠を整理しています。
提供規模
- 4年間の法人契約
- 3つの参加部門
- 代表統括・複数講師による提供
- 必要に応じた週2回までの支援
実務への移転
- 重要な会議・協議への準備
- 英語での積極的な参加
- 専門的な説明・文書の明確化
- グローバル業務における自立性
組織内での価値
- 一部門から三部門への展開
- 社内紹介と支援者による後押し
- 専門性を保った提供能力の拡大
- 職責の変化に対応した複数年支援
93名の参加者記録の部門別内訳
FORMER PARTICIPANT FOLLOW-UP
実際の業務場面への移転を事後確認
法務・知的財産、調達、財務の元参加者12名への匿名の事後確認により、 支援が職務に即し、実際の重要業務へ直接適用されていたことを確認しました。
「日本語の考え方を英語に置き換えるだけでなく、論点、 推奨案、リスクをグローバルの関係者にどう構成して伝えるかを 整理できるようになりました。」法務・知的財産部門 元参加者
「サプライヤーとの交渉や社内調整に向け、目的、 想定される反論、建設的に異議を示す方法まで検討できたため、 準備の質が上がりました。」調達部門 元参加者
「予測、差異、経営上の含意を、過度な背景説明に頼らず グローバルの同僚に理解してもらえるよう、 説明の仕方を改善できました。」財務部門 元参加者
元参加者12名による匿名の事後確認に基づきます。 5段階評価のうち4または5を肯定回答として集計し、 重要業務での利用については「はい/いいえ」で確認しました。
これらの記録は、完全1対1の支援でも、職務との関連性、守秘性、 責任の所在を保ちながら、専門部門を横断して展開できることを示しています。
結果から確認できること
本事例から確認できるのは、完全1対1の支援を企業内で相当な規模まで展開できたこと、参加者が重要な実務へ直接適用したこと、そして社内の紹介と継続的なニーズを通じて複数部門へ広がったことです。
参加者には、自身の業務に即した支援が提供されました。同時にクライアントにとっては、複数部門・複数講師による提供であっても、一般的・画一的な研修に変えることなく運営できる体制となりました。
Client perspective
“remarkable.は、調達、法務・知的財産、財務の各部門に対し、参加者一人ひとりの職務に合わせたコミュニケーション力の強化と、実務に直結する支援を提供しました。Markは主な窓口として、プログラム運営、講師の品質、参加者の役割・優先事項・直近の業務に応じた支援内容の調整に継続して関与しました。実践的で柔軟かつ迅速に対応できるプログラムであり、社内のニーズと支援者の後押しを受けて、複数部門へと数年にわたり拡大しました。”
支援が活用された業務場面
支援は一つの形式に限定せず、繰り返し生じるさまざまな職責で活用されました。目的、相手、リスク、必要な判断に応じて、支援内容を調整しました。
会議・ステークホルダーとの対話
複雑な論点を説明し、的確な質問を行い、前提に問いを投げかけ、準備した台本に頼らず対応し、海外の関係者と実行可能な理解へ到達する必要がある協議を準備・振り返りました。
プレゼンテーション・推奨案
必要な判断を明確にし、推奨する方針を示し、事実と前提を区別し、不確実性を説明し、質問や反対意見に備えることを支援しました。
交渉・難しい協議
契約、サプライヤー、社内、部門横断の協議において、意見の相違を正確かつ専門的に伝え、法的・商業的に適切な形で対話を進める準備を行いました。
専門的・技術的な説明
法務、知的財産、調達、財務の専門職が、専門知識、権限、業務背景が異なる相手にも理解できるよう、論理と説明の順序を整理しました。
文書作成とフォローアップ
メール、文書、プレゼンテーション資料、経営層向けの要約について、明確さ、トーン、担当責任、次のアクション、必要な精度を検討しました。
マネジメント・リーダーシップコミュニケーション
委任、フィードバック、会議の進行、直接的な権限を持たない相手への働きかけ、意思決定の伝達、難しい人材マネジメント場面にも活用されました。
MULTI-YEAR PROGRAM DEVELOPMENT
調達部門での開始から、3部門を横断する企業向けプログラムへ
社内ニーズ、支援者による後押し、提供能力の変化に応じて、 段階的に運営体制を発展させました。
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2020年
調達部門で開始
製薬業界内の信頼ある紹介を契機に、調達部門の専門職が担う 実際の国際業務を中心とした初期評価と1対1支援を開始しました。
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2021年
提供能力と運営体制を拡張
クライアント承認済みの追加講師を導入し、提供可能な時間と選択肢を拡大。 共通の日程管理、サービス基準、守秘義務、代表による統括を整備しました。
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2022年
法務・知的財産へ展開
部門独自の支援範囲を設定し、法務・知的財産部門が参加。 契約、特許、ライセンス、専門的なリスク説明へと支援領域が広がりました。
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2022〜2023年
財務を含む3部門で運営
社内支援者の職責変更と継続的なニーズを背景に財務部門が参加。 部門別予算、参加者による講師選択、完全1対1の支援を保ちながら、 3部門を横断して運営しました。
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2024年初頭
予算見直しに伴う法人支援の終了
予算配分の見直し、円安によるコスト圧力、事業環境の変化などを背景に、 法人契約としての支援は終了しました。 サービス上の重大な問題による終了ではありませんでした。
経済・事業環境に関する要因は背景情報として記載しています。 一つの要因のみを終了理由として断定せず、 クライアントの製品や社内判断を特定できる情報も掲載していません。
提供体制と運営管理
1. 支援範囲と契約
部門別の提案書、見積、予算により、支援と管理の範囲を設定しました。契約では、コミュニケーション支援、追加講師、守秘義務、社内資料、個人情報、報告、責任の範囲を取り決めました。
2. 初期評価と参加者別の支援設計
参加開始時と支援期間中に、英語運用力、職務、優先事項、直近の業務要件を確認しました。担当業務、プロジェクト、ステークホルダーの変化に応じて、支援内容を調整しました。
3. 完全1対1の提供
通常プログラムはすべて個別支援としました。原則として週1回、必要性、緊急度、空き状況に応じて週2回まで実施しました。メール、文書確認、重要な場面への緊急準備を行うこともありました。
4. 参加者による講師選択と講師連携
参加者は、利用可能な講師の中から希望する講師を選択できました。remarkable.は、共通のサービス基準、日程の可視性、継続性を保ち、必要な場合には担当変更にも対応できる体制を維持しました。
5. 代表による全体統括
Mark Fukuharaが主な窓口を務め、プログラム運営、部門担当者・管理担当者との連絡、講師連携、品質基準、緊急時の対応を統括しました。通常セッションを別の講師が担当する場合も、責任の所在を明確にしました。
6. remarkable.とクライアントの責任範囲
remarkable.は、プログラムの設計・運営、コミュニケーション支援、実務準備を担当しました。法務、知的財産、調達、財務、マネジメント、事業上の最終判断と実行責任は、参加者とクライアントに帰属します。
実務そのものを支援の中心にする
一般的な練習ではなく、参加者が実際に担う会議、交渉、 説明、文書、マネジメント課題から始めました。
運営基盤は共通化する
契約、守秘義務、日程、継続性、サービス基準を共通化し、 複数部門・複数講師でも一貫した運営を保ちました。
支援内容は職務別に設計する
法務・知的財産、調達、財務が扱う専門性、 ステークホルダー、判断の内容を一律化しませんでした。
参加者の講師選択を保つ
参加者が利用可能な講師から選択できるようにし、 remarkable.がその選択を支える運営体制を維持しました。
責任の所在を代表に集約する
顧客対応、エスカレーション、講師連携、 品質基準には明確な責任者を置きました。
本事例が示すremarkable.の提供能力
本事例は、remarkable.が複雑で規制の厳しい企業内において、明確に定義された専門職向け支援プログラムを設計・運営できることを示しています。職務と組織の背景を理解し、支援範囲と管理基準を定め、複数講師を連携させ、参加者の実際の業務を支援し、社内関係者と調整しながら、状況の変化に対応しました。
企業クライアントにとっては、経験豊富な専門職を一般的なカリキュラムに当てはめることなく、守秘性と職務別の関連性を保った支援モデルです。コンサルティング会社や専門サービス会社にとっては、より広い変革、リーダーシップ、人材、専門部門支援の中で、remarkable.が日本側の専門ワークストリームを担当できることを示しています。
ここで示されているのは、専門職向けプログラムを設計し、複数講師を統括し、部門を横断する実務支援を行いながら、責任の所在を明確に保つ能力です。
STARTING POINT
同様の企業向け支援を始める方法
当初から大規模な全社プログラムを導入する必要はありません。 範囲を限定した初期フェーズで、課題、対象者、評価方法、 適切な提供体制を確認できます。
課題と対象業務を明確にする
社内責任者と代表参加者へのヒアリングを行い、職務、 重要なコミュニケーション場面、制約、現在の支援を確認します。
成果物:課題定義、優先部門、対象者、パイロット案実務直結型のモデルを検証する
範囲を限定した1対1支援を実施し、運営方法、 実務への適用、参加者から得られる根拠を確認します。
成果物:参加者の確認結果、運営上の示唆、拡大判断個別性を失わずに展開する
職務別の関連性、守秘性、品質管理、責任の所在を保ちながら、 対象部門または提供能力を選択的に拡大します。
成果物:報告・レビュー基準を備えた企業向け提供体制支援範囲、評価方法、契約条件は、組織の意思決定プロセス、 リスク、社内リソースに応じて、開始前に合意します。
同様のニーズがある組織の方は、remarkable.のリーダーシップ・マネジメント・経営層/専門職コミュニケーション支援をご覧ください。範囲を限定した課題診断、実務に組み込んだ1対1支援、複数講師による企業向けプログラム設計、日本側の運営統括に対応しています。
同様の企業課題について、まず範囲を限定して相談する。
remarkable.は、複雑または重要な内容をグローバルチームへ明確に伝える必要がある専門職、管理職、企業を支援しています。最初のご相談では、課題、対象部門、参加者、実務場面、パイロットの範囲、直接契約または協働による提供の可能性を整理します。
COLLABORATION PATH
コンサルティング会社・専門パートナーとの協働
より広い企業変革、人材、リーダーシップ、専門部門支援の中で、 日本側のバイリンガルな実施・能力開発ワークストリームが必要な場合、 責任範囲を明確にしながら統合した提供が可能です。
協働について相談する →全体のクライアント契約を担当
全体変革の設計、経営層ガバナンス、商業契約、 統合レポート、隣接ワークストリームを担当します。
日本側の専門ワークストリームを統括
課題診断、プログラム設計、参加者支援、 専門講師の連携、提供管理、実施上のフィードバックを担当します。
実際の業務へ適用
法務・知的財産、調達、財務、リーダーシップなどの部門が、 実際の判断、関係者、成果物を中心に支援を活用します。
想定される協働形態